思うこと

2014年8月19日 火曜日

ピンチはあくまでピンチです。

東京都文京区で弁護士をしている野口眞寿です。

「ピンチはチャンスだ」という言葉があります。
いい言葉です。ピンチをチャンスと捉えて今後の人生を切り開いていこう、という気概に満ちています。

でも、ピンチはあくまでもピンチです。
何もしなければ命を絶たれますし、対処を間違えればさらに大変なことになってしまうこともあります。
ピンチというのは、いわば「がけっぷち」にいる状態です。
そんな状態で危機感なくピンチをチャンスと宣言して突っ走ればどうなるでしょうか。
そういった認識をしっかりと持っておくことも必要なのだと思います。

とはいえ、やはり「ピンチはチャンス」です。
人はうまく行っている事を変えることを嫌います。
細かく見れば改善の余地があったり、最終的に大きな問題になりそうな種があっても、なぜ今うまくいっているのにかえなければならないのか、と考えてしまうものです。
ピンチというものはその「問題の種」が芽を出すことによってやってくるのです。
そして、ピンチのときこそ「なんとかしなければ」という思いからそういった問題の種を抜本的に修正することができるのです。

ピンチをピンチと受け止め、危機感を持ってどう対処するべきか考え、実行していくことが、自分自身にとっての成長につながります。
事業でも同じです。
事業が窮地に陥ってしまったときこそ、しっかりと原因を考え、改善し、対処していく。それによってよりよい事業展開ができるようになります。
そのためには、ピンチをまず自分のことと受け止め改善すべき問題の種をしっかりと見据えなければなりません。

そうしてみていくと、「ピンチ」にいち早く気づく力というものも重要になってきます。
「ピンチ」がまだ小さい種のうちに改善してしまえば、大きなリスクを負うこともなく、よい結果を得ることができます。
実はピンチなのにピンチであることに気がつかなければ、手遅れになってしまうこともありえます。


ある会社がありました。

その会社は、あるひとつの商品がヒット商品となり、莫大な利益を得ていました。
その社長はこう考えています。
「今はこの商品が売れているからいいが、もうしばらくしたら売り上げが下がってくるかもしれない。その後も会社の発展を続けるためには、この利益を使って優秀な人材を集め、他の事業でも利益が得られるような体制にしておかなければならない」

ひとつのヒット商品に頼っていてはいつか行き詰ってしまいます。
いつまでもヒット商品を連発し続けることはできないからです。
この会社は「ひとつのヒット商品に頼っていること」そのものがピンチの種となっているのです。そこでこの社長は、まだヒット商品が売れているうちから、ヒット商品に頼らない事業構造を構築しようとしているのです。

ピンチをピンチと捉え、対処法をしっかりと考えて実行していくことによって成功を得ることができる。ピンチはチャンスとはそういう意味なんだろうと思います。

弁護士の業務として、契約書の作成・チェックをしたり、契約締結交渉をサポートすることがあります。
そうしたときには、その取引の中にある小さなピンチに気づいて対処を促すこともわれわれの仕事に含まれているのだと思います。

投稿者 初雁総合法律事務所 | 記事URL

2014年7月 1日 火曜日

ビジネスにおける詐欺的な行為について

東京都文京区の弁護士野口眞寿です。

弁護士としての業務は,まず法律相談から始まります。
様々な人が様々なケースで相談に来ていただいているのですが,その中で思うことがあります。

それは,ビジネスは信頼関係で成り立つのに,その信頼関係を利用して不当に利益を取ろうとしている人物がいるということです。
一言で言い切ってしまおうとすれば,詐欺です。

これまでいくつかそういった案件の相談を受けてきました。金銭を渡す名目は様々ですが,まず共通するのは以下の点です。
①重要な部分についてメール等の文字で残さない。
②残っていたとしてもそれだけでは意味をなさなかったり,よく考えると曖昧な表現で書かれたりしている。
③当事者が追及しようとすると信頼関係を強調してくる。時には怒る。

そして,訴訟になると「言ってない」と主張をしてくるのです。
裁判所は証拠を基に判断しますから,①のように文字の証拠がない場合,「言った」といくら主張しても認めてくれません。

事前にわかればベストなのですが,彼らは非常に巧みに話を展開し,なかなか本性を悟らせません。
気付くのはたいてい,お金を渡してしまい彼らの最大の目的が達成された後のことです。
しかもそれがビジネス上の関係で行われた場合,すぐに連絡が取れなくなるといった「分かりやすい」行動に出ることはありません。様々な理由をつけ,さも誠実であるかのように関係を継続してきます。それも効かなくなったときの最後の手段が③なのです。

信頼なくしてビジネスはできません。
彼らはそれを逆手にとって金銭をだまし取り,様々な手立てを使って取り返されるのを防いでいます。
健全な経済の発展にとって,間違いなくマイナスの影響しかもたらしていません。

しかも,最後には弁護士の目から見て回収の可能性が低いと答えざるを得ない状況を整えられてしまっている場合がほとんどなのです。

パターンとしてはこうです。
「判決で勝つためにはこことここの所の立証に難があり,裁判所がすんなり認めてくれるかどうか難しいところです。しかも仮にそこをうまく立証できたとしても,強制執行をして回収できるかどうかはまた別の問題です。お聞きした状況からだと,弁護士費用だけがかかって回収できない可能性が相当あります」

正直許せません。
同時に歯がゆくもあります。
金銭を渡す前や,渡した後でももう少し早く相談に来ていただいていれば,違った対処が可能である場合が多いからです。
曖昧な①②を証拠化し法的に明確にするだけでも相当有利になります。場合によってはそうして整えた証拠で詐欺罪での告訴が可能となるケースもあります。
そうしたことから,もう少し早く相談に来ていただいていたらと思うことも少なくありません。

そうした不正をそのままにしておくことは,正直者が馬鹿を見る状態を放置していることと同じです。

今後もそうした案件には断固として対応していきたいものです。



当事務所は,その人に合った解決の仕方を考えていきます。
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投稿者 初雁総合法律事務所 | 記事URL

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