依頼のケースのご紹介

2014年7月 7日 月曜日

工事現場での転落死亡事故における賠償のケース

東京都文京区で弁護士をしている野口眞寿です。

今回は,工事現場での転落事故における賠償についての依頼のケースを紹介させていただきます。
この事件は,工事現場で働いていたAさんが地上十数階の高さから転落し死亡したというケースです。無事賠償金が支払われたということで,紹介することとなりました。

相手会社は事故の責任を認めておらず,見舞金として3000万円を支払うという提案がなされていました。

その段階で私の所に相談に来られたのですが,交渉の状況から,私が代理するよりも交渉の進展に応じて相談をする形で進めていった方が適切だろうと判断し,そのように進めることにしました。

会社の法的責任については,事故の状況から間違いなく会社側の過失があると思われました。
そこでまず,私の方で裁判所で判決を得た場合に認定されるだろう金額の目安を計算させていただきました。
こういった損害賠償のケースでは,交通事故によって死亡した場合とパラレルに考えて,損害の金額を考えるのが通常です。交通事故の損害賠償については,日弁連交通事故相談センターが発行している損害賠償算定基準(通称「赤い本」)があり,裁判実務はそれに則って進んでいます。その本が過去の裁判例を集約し分析した結果をまとめている本だからです。

実は「青い本」というのも存在するのですが,実際用いられることはあまり多くありません。

つまり,身体に関する事故の賠償については,この「赤い本」が事実上唯一の基準となっているのです。

この「赤い本」にのっとって賠償額を計算した結果,損害額は全体として約9千万円であり,過失相殺を考慮しても6~7千万円前後の賠償が得られると予想されました。
その数字を依頼者に伝え,また,赤い本を実際に見ていただきながらそのように計算した根拠について説明をし,理解をしていただきました。本人が交渉をする以上,どのような理由と計算によってその数字が出てきたのかを理解していただかなければ,相手を説き伏せることは不可能だからです。
赤い本は「こういう場合はこう」と結果だけ記載されていることも多いのですが,「なぜそうなのか」まで含めて理解していただくことが重要だと考えています。

「裁判の基準になっている赤い本によると逸失利益は〇〇円です」
という説明と,
「この方はまだ若く今後昇給や昇進するはずですが,今の給料額を元に逸失利益を考えたのではそういった昇給分が全く考慮されていないこといなってしまいますので,そうした昇給昇進の可能性を考慮すると平均賃金を基準に考えるのが適切だというのが赤い本に載っている裁判例の考え方なので,逸失利益は〇〇円です」
という説明のどちらの方が説得力があるでしょうか。

断然後者です。

また,相手も支払う金額について弁護士に相談しますから,双方「赤い本にあてはめて」と言っただけでは平行線になってしまいます。
そんな平行線を防ぎ,しっかりとした交渉ができるようにサポートすることが今回のケースでの私の役割です。
赤い本自体はだれでも入手することが出来ますから,赤い本にあてはめた結果を伝えるだけでは仕事をしたことになりません。

相手方会社は「我々も弁護士に相談して3000万円という話だったのです」と主張してきましたが,最終的に賠償額を6000万円とする提案を引き出すことに成功しました。
過失の割合について裁判官が何割とするか微妙な案件でもあり,今後争いを続けていくことのメリットデメリットを考えた結果,最終的にその金額での合意となりました。




当事務所は,その人に合った解決の仕方を考えていきます。
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投稿者 初雁総合法律事務所 | 記事URL

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