依頼のケースのご紹介

2014年6月16日 月曜日

商標権を侵害する商品の売買代金請求

東京都文京区で弁護士をしている野口眞寿です。

今日は,ある会社から依頼された件について紹介する許可を頂きましたので,ご紹介させていただきます。
なお,会社名及び事件を特定することができる事項については,仮名とさせていただきます。

事件に至る経緯
A社は,ある化粧品を販売しようと考え,B社に製品のデザイン企画及び製造を依頼しました。
B社は,製品名を「化粧品X」として製品を作り,A社に納入しました。

製品を受け取ったA社は「化粧品X」を顧客に売るためにまずサンプル商品として配り,その後大規模な販売を開始しようと考えていました。
ところが,サンプル商品を送った顧客から一通の情報が寄せられてきました。
「化粧品X」という名前の化粧品は以前からC社が販売している,というものです。

驚いたA社が調べてみると,C社は「化粧品X」を販売しており,しかもC社が商標登録をしている名称だったのです。
商標権侵害を理由としてC社から訴えられてしまうところでした。
そうと分かった以上,サンプル商品をこれ以上配ることもできません。

A社がサンプル商品を送った顧客の対応に追われる中,B社はA社に対して商品代金の支払いを請求してきました。
B社に代金を支払うことなどできない。
A社は旧知の弁護士に相談し,対応を依頼することにしました。

方針と対応
A社の主張はまとめると次のようなものでした。

B社には,製品が商標権を侵害しないかどうかの確認もお願いして製品を企画・製造してもらったし,企画段階でB社はこの製品名で問題ないと言っていました。
しかし実際はC社の商標権を侵害するので,販売することができません。B社が大丈夫だと言ったから信頼してこの名前にしたのに,いわば裏切られたようなもので,我々がB社に代金を払わなければならないというのは納得できません。

そこで,私は,B社に対して「化粧品X」の売買契約を債務不履行解除する旨の内容証明を作成し,送付しました。
「商標権を侵害しないかどうか確認する債務を履行しなかった」ことがその理由です。
その後,なんとかして代金を回
収したいB社との交渉を行いました。契約時のやり取りについて記録された客観的な資料はなく,B社がA社の主張を飲むかどうかは難しいところでしたが,断固とした姿勢でA社の立場を説明いたしました。

最終的にB社は売買契約の解除を認めて売買代金の請求を断念し,A社は「化粧品X」をB社に返品することとなりました。

ただ,サンプルとして配った化粧品Xが一部回収できなかったため,その分についてはほぼB社の仕入れ原価程度の価格で返還することとなりました。
これは,契約を解除した場合には原状回復として売買の目的物そのものかその価額相当を返還しなければならない法の定めに則ってのものです。

結果,B社の請求を大幅に減額した形での解決となりました。
幸いにして,訴訟にならずに,かつ望みうるベストの結果を得ることが出来ました。

今後も法の定めるところに則った適切な解決ができるよう,心がけてまいります。


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投稿者 初雁総合法律事務所 | 記事URL

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