事務所ブログ

2014年7月15日 火曜日

製造物責任法についての概説

東京都文京区の弁護士野口眞寿です。

製造物責任法という法律を聞いたことがある方は多いと思います。PL法という名前で聞いたことがある人も多いかもしれません。
製造物責任法とは,製造物の欠陥により人の生命、身体又は財産に係る被害が生じた場合における製造業者等の損害賠償の責任について定めた法律です。その目的は製造物の欠陥によって生じた被害の被害者を保護することにあります(製造物責任法1条参照)。

〇責任を負う者
製造物を製作した者,輸入した者が賠償責任を負います。
消費者の保護を目的としている法律ですから,消費者が製造者と誤認するような記載をしたり,広告などで表示した者もその責任を負います。

〇賠償すべき場合
製造物に「欠陥」があった場合です。
「欠陥」とは,「当該製造物が通常有すべき安全性を欠いている」ことをいいます。

平成25年には,自転車のサスペンションが走行中に分離したために怪我をしたケースで,自転車に欠陥があったことを認めて約1億5千万円の支払いを命じる判決がでています。(平成25年 3月25日東京地裁判決)
同判決は,自転車のサスペンションが内部のスプリング部分でのみ上下がつながっている構造であり,スプリングが破断すれば上下が分離しうる状態になることを認定し,そうしたことは通常自転車を購入した者の合理的期待に反するものとして,通常有すべき安全性を欠いていたとの判断を下したものです。
製造物責任法が被害者の保護を目的とするものですから,安全性の判断を被害者の目線で行うことは適切なものといえます。


〇対象となる被害
生命,身体,財産に生じた被害が賠償の対象となります。
ただし,財産のうちでも問題となっている製造物に生じた被害は含まれません。

〇無過失責任
製造物責任法による賠償責任は,製造者に過失があることを要求しません。すなわち,製造者がどんなに注意を払っていたとしても「欠陥」があることになれば必ず賠償をしなければならないとされています。
非常に限定的な場合にのみ免責が認められていますが,適用されるケースは事実用ほとんどないと考えてよいでしょう。

〇期間制限
このように重い責任を製造者に追わせることになっているため,製造物を引き渡してから10年が経過した時は損害賠償を請求することが出来ないことになっています。

〇小括
製造物責任法はどんなに注意していたとしても製造者に賠償を命じる点で,消費者にとっては強く保護され,製造者にとっては予期せぬ支払リスクを負っていることになります。
怪我をしたい消費者はいませんし,怪我をさせたい製造者もいません。
製造物責任法は,最終的にしっかりとした安全性を有する製品のみが市場に残るようにし,消費者も製造物を適切に安全に使用するようになることを目指しているように思います。

投稿者 初雁総合法律事務所 | 記事URL

2014年7月 1日 火曜日

ビジネスにおける詐欺的な行為について

東京都文京区の弁護士野口眞寿です。

弁護士としての業務は,まず法律相談から始まります。
様々な人が様々なケースで相談に来ていただいているのですが,その中で思うことがあります。

それは,ビジネスは信頼関係で成り立つのに,その信頼関係を利用して不当に利益を取ろうとしている人物がいるということです。
一言で言い切ってしまおうとすれば,詐欺です。

これまでいくつかそういった案件の相談を受けてきました。金銭を渡す名目は様々ですが,まず共通するのは以下の点です。
①重要な部分についてメール等の文字で残さない。
②残っていたとしてもそれだけでは意味をなさなかったり,よく考えると曖昧な表現で書かれたりしている。
③当事者が追及しようとすると信頼関係を強調してくる。時には怒る。

そして,訴訟になると「言ってない」と主張をしてくるのです。
裁判所は証拠を基に判断しますから,①のように文字の証拠がない場合,「言った」といくら主張しても認めてくれません。

事前にわかればベストなのですが,彼らは非常に巧みに話を展開し,なかなか本性を悟らせません。
気付くのはたいてい,お金を渡してしまい彼らの最大の目的が達成された後のことです。
しかもそれがビジネス上の関係で行われた場合,すぐに連絡が取れなくなるといった「分かりやすい」行動に出ることはありません。様々な理由をつけ,さも誠実であるかのように関係を継続してきます。それも効かなくなったときの最後の手段が③なのです。

信頼なくしてビジネスはできません。
彼らはそれを逆手にとって金銭をだまし取り,様々な手立てを使って取り返されるのを防いでいます。
健全な経済の発展にとって,間違いなくマイナスの影響しかもたらしていません。

しかも,最後には弁護士の目から見て回収の可能性が低いと答えざるを得ない状況を整えられてしまっている場合がほとんどなのです。

パターンとしてはこうです。
「判決で勝つためにはこことここの所の立証に難があり,裁判所がすんなり認めてくれるかどうか難しいところです。しかも仮にそこをうまく立証できたとしても,強制執行をして回収できるかどうかはまた別の問題です。お聞きした状況からだと,弁護士費用だけがかかって回収できない可能性が相当あります」

正直許せません。
同時に歯がゆくもあります。
金銭を渡す前や,渡した後でももう少し早く相談に来ていただいていれば,違った対処が可能である場合が多いからです。
曖昧な①②を証拠化し法的に明確にするだけでも相当有利になります。場合によってはそうして整えた証拠で詐欺罪での告訴が可能となるケースもあります。
そうしたことから,もう少し早く相談に来ていただいていたらと思うことも少なくありません。

そうした不正をそのままにしておくことは,正直者が馬鹿を見る状態を放置していることと同じです。

今後もそうした案件には断固として対応していきたいものです。



当事務所は,その人に合った解決の仕方を考えていきます。
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投稿者 初雁総合法律事務所 | 記事URL

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