事務所ブログ

2016年3月15日 火曜日

よくわかる裁判手続き①

弁護士「本日、東京地裁に訴状を出し、訴えを提起してきましたよ!」
依頼者「ありがとうございます。それで、裁判はいつですか?」
弁護士「しばらくすれば裁判所から日程調整の連絡が来て、それから決まることになります。まぁ来月か再来月あたりになるでしょう」
依頼者「そうですか...」


東京都文京区で弁護士をしている野口眞寿です。

今回は弁護士よくある会話集という形で始めて見ました。

冒頭の会話は、訴えを起こす時によく繰り広げられる会話の典型です。
「明日訴状を出してきます」という連絡を受けて訴状を出したという報告を待っていた依頼者の方ですが、訴状を出しても日が決まらないことに少しだけがっかりしている様子です。
我々としても、意気揚々と「訴状を出し、第1回期日が○月○日となりました!」と歯切れよく報告したい気持ちはあるのですが、訴状を出した段階では第一回期日が決まることはありません。

訴状は、裁判所に提出された後、裁判官が内容を確認します。
ここで、形式面の確認だけではなく、相手に対する請求が法律論として成立しているのかという審査も行われます。
この審査では、そもそも法律論として相手への請求が成立していないような場合などに訴えを「却下」するかどうかが見られます。
裁判所は法律に基づいて紛争を解決する機関であるため、法律上相手に請求できないものは裁判所としても取り合わない、というわけです。
我々弁護士も法律のプロ、この審査で落とされることはまずありません。だからといってこの審査を飛ばすこともできません。
この審査にどのくらいの日数がかかるかは、裁判官のスケジュールによっても変わってくるため、一概には言えませんが、おおむね数日~1週間というところです。

この審査が終わり次第、原告に第一回期日の日程を合わせるための連絡が来ることになります。

さて、冒頭の会話では来月か再来月という話になっています。
これにももちろん理由があります。
裁判所は、原告と相談したうえで第一回期日をきめ、期日の呼び出し譲渡訴状を同封して被告に対して送達を行います。
送達と言うのは、裁判所専用の書留郵便のようなものです。もし手元に郵便局の不在票がある方は見てみてください。郵便物の種別に「特別送達」という項目があるはずです。それです。
裁判の期日は、被告が訴状を受け取らないと開けないことになっています。
そのため、裁判所は余裕を見て一か月先あたりで第一回の期日の予定を組むのです。裁判所は法廷を開く曜日が決まっているため、裁判所と原告お互いのスケジュールが合わないということも生じ、おおむね1か月~1か月半程度のところになることが多いように思います。

こうして、第一回期日は訴状を出してから1か月半程度が第一回期日の目安となり、「来月~再来月」という言葉になってくるのです。

では晴れて第1回期日のあとはどうなるのか、という所については、また次の機会に致しましょう。

投稿者 初雁総合法律事務所

相続相談ガイドに掲載されました
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